心身医学
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喘息予防・管理ガイドラインと心身症診断・治療ガイドライン(<特集>呼吸器領域における心身症研究と診療の動向)
十川 博
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2013 年 53 巻 2 号 p. 120-129

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抄録
気管支喘息(以下,喘息)の治療薬の大きな進展により喘息患者の入院は激減した.しかし,入退院を繰り返す難治性の喘息患者もいる.このような難治化の原因の一つに心理社会的ストレスによる発作の増悪が挙げられる.しかし,心理社会的ストレスは複雑であり,その全貌を把握しにくい.2002年に発刊された『心身症診断・治療ガイドライン』の中に問診表「喘息の発症と経過に関する調査表」が報告されているが,これを用いると簡単に心理社会的因子を把握できる.この問診表は点数化されており,心身症か否かの診断ができるだけでなく,その下位項目である(1)発症経過とストレス,(2)情動と喘息発作,(3)性格・行動上の問題,(4)日常生活のQOL,(5)家族関係(生育歴)の点数結果から治療戦略を導き出せる.2009年に呼吸器専門病院にて通院中の成人喘息患者を対象に行った調査では,約1/4の喘息患者が「心身症」タイプと診断された.しかし,心身症に対しての治療は普及しておらず,今後はプライマリ・ケアでも対応できる心身医学的治療の確立が望まれる.
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© 2013 一般社団法人 日本心身医学会
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