心身医学
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シンポジウム/ストレスチェックの法制化と職業性ストレス対策の新たな動向
産業現場でのストレスチェックの実際
伊藤 克人
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2016 年 56 巻 8 号 p. 807-813

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抄録

2015年12月にストレスチェック義務化の法律が施行された. 筆者の職場では2014年から独自に開発した「メンタルヘルスチェックシート」を使用したストレスチェックを行っている. ストレス対象を仕事に限定して, 異動後または新入職後3カ月経過した社員に対して質問紙調査を行い, 仕事上の悩みが大きい社員に対しては産業医や保健師が面接を行う. 場合によっては上長面談へとつなげるが会社はまったく関与しない. また, 今回の法制化の条件を満たすような質問紙として「TKKストレスチェックリスト」を開発した. これは高ストレス者の識別精度を高めるために開発したもので, すでに標準化されているSDS (Self-rating Depression Scale) を用いて判定基準を決めた. 質問項目としては, 例えば「たくさんの仕事をしなければならない」という状況でも「自分の経験になる」ととらえるか「逃げ出したい」ととらえるか, とらえ方によってストレスの影響が異なることを考えて作成したところに特徴がある.

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© 2016 一般社団法人 日本心身医学会
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