2017 年 57 巻 11 号 p. 1123-1126
小児科の守備範囲は一般的には中学生までとなっている. 高校生からは内科となるが, この枠組みには医学的な根拠はない. 高校生の心身症を小児科が診るべきか内科が診るべきかについては, 小児心身医学と心身医学の違いがポイントとなる. 小児は成人に比べて, 心身が未分化であり心理的ストレスが身体症状に現れやすいため, より広い範囲に心身症を発症する. そのため小児において心身症は小児科医が一般診療で扱っている場合が少なくない. また小児期は発達過程にあり, 心身症を診ていくうえでも発達について常に意識する必要がある. よって高校生が子どもからの延長で, 発達過程にあると考えるのであれば小児科医が診療を行うのが適切との結論になる.