心身医学
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特集/皮膚とこころ
皮膚疾患とQOL・ボディイメージ
檜垣 祐子
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2017 年 57 巻 12 号 p. 1215-1220

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抄録

皮膚疾患は社会生活のさまざまな場面に影響し, 患者のQOLを低下させる. 種々の皮膚疾患特異的QOL評価尺度を用いて, 成人患者のみならず, 小児患者のQOLや患者家族のQOLについても調査できるようになった. 皮膚疾患患者のQOLを考える場合, 皮膚特有のかゆみや, 否定的なボディイメージをもたらす外見の問題は必須の要素となる. 皮膚疾患が及ぼすQOLへの影響に関する研究はもとより, 治療のアウトカムの指標としてもQOLが重視されているが, いずれも臨床的に意味のあるQOLの変動であるかを考慮する必要がある. 近年では治療の費用対効果の指標にQALYが用いられている. 診療の現場では個々の患者のQOLを把握し, 治療に生かす視点が大切である.

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© 2017 一般社団法人 日本心身医学会
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