2018 年 58 巻 3 号 p. 261-266
産業構造の変化, 働き方の変化, 情報技術の進歩など従業員や組織を取り巻く社会経済状況が大きく変化している. こうした変化に伴い, 従業員はこれまでよりも健康で, 「かつ」, いきいきと働くことが必要になってきた. 本稿は健康の増進と生産性の向上を両立させる鍵概念としてワーク・エンゲイジメントに注目する. 最初に, ワーク・エンゲイジメントが, 活力, 熱意, 没頭から構成される概念であることを定義したうえで, ワーク・エンゲイジメントの先行要因と結果を統合した 「仕事の要求度-資源モデル」 を紹介した. 次に, 行動医学の視点からワーク・エンゲイジメントを高めるための方策について言及した.