2019 年 59 巻 4 号 p. 345-352
本稿は, 子育てにおける困難感と疲労感などの身体症状を同時に訴える母親に対し, 身体症状に対するアプローチを通して, 子育て困難感が軽減された事例についての報告である.
第一に, 母親が子育て相談に来た事例において母親の身体症状から扱っていくことの効果として, 身体症状がありながら子育てをしている状況に対し, 支援者からの共感的理解を示され安堵感を得られたこと, 同時に, 常に子育てに向いている母親の意識を母親自身の身体へと向けさせ, 自分自身をいたわってもいいという気づきを得られたことが考えられる.
第二に母親の身体症状そのものを扱うことの効果として, 身体症状が実際に軽減されると母親が精神的にも落ち着き, 子どもとの関わりにもよい変化が生じたことが考えられる.