日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
小児慢性腎炎におけるmatrix metalloproteinase-9の検討
中村 可奈島 雅昭山本 威久中島 滋郎松本 小百合志水 信彦平井 治彦岡田 伸太郎
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1998 年 11 巻 1 号 p. 25-27

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抄録

 matrix metalloproteinase-9 (以下,MMP-9) は,ゼラチンをはじめ糸球体基底膜の主成分であるIV型collagenやV型collagenの分解活性を持つことが知られている。ヒト腎炎の病態におけるMMP-9の役割については未だ明らかでない。今回我々は小児慢性腎炎16例を対象とし,単離糸球体培養上清および尿中MMP-9をgelatin zymography法とELISA法を用いて解析した。メサンギウム細胞増殖の程度によりFocal群とDiffuse群に分けて検討したところ,Diffuse群において糸球体培養上清および尿中MMP-9量は増加していた。また,治療による尿蛋白量の減少に伴い,尿中MMP-9も減少した。このことから,MMP-9は小児慢性腎炎における糸球体基底膜障害に重要な役割を果たしているものと推察された。

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© 1998 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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