日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
PAX2遺伝子異常 (Renal-coloboma syndrome): 症例報告
佐藤 忠司田代 克弥在津 正文宮崎 澄雄徳田 雄治真崎 善二郎
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2000 年 13 巻 2 号 p. 125-130

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抄録
 PAX2遺伝子異常は腎と眼の発生学的異常 (形成障害) をきたすことが近年明らかにされた (Renal-coloboma syndromeまたはHuman PAX2 mutation syndrome)。私たちは停留精巣を伴う腎低形成と視神経乳頭形成障害の症例の遺伝子解析を行い,PAX2遺伝子異常 (Exon2: G619 insertion) を同定し,RCS (Renal-coloboma syndrome) の孤発例と診断した。症例は初診時7歳男子。主訴は停留精巣で,精巣固定の術前に偶然腎機能低下が発見された。また視力低下の訴えはなかったが網膜剥離を伴う視神経乳頭形成不全がみられた。以後,腎機能低下が進行し,15歳の現在,末期腎不全に至った。
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© 2000 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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