抄録
頻回再発型ネフローゼ症候群を呈したClq nephropathyの1例を経験した。症例は7歳男児。平成11年5月(4歳時)ネフローゼ症候群を発症し,平成13年後半以降頻回再発型臨床像を呈した。平成14年5月(7歳時)の腎生検で,メサンギウム領域にわずかな細胞増殖を認めた。蛍光抗体法でClqがメサンギウム領域を中心に最も強く染まり,IgG,フィブリノーゲンが軽度陽性を示し,Clq nephropathyと診断した。本症は比較的希な疾患であり,頻回再発型ネフローゼ症候群を呈した本症についての報告は極めて少なく,貴重な症例と考えられたので報告した。