小児腎疾患において,糸球体腎炎の活動性を尿中単球/マクロファージ(Mo/MΦ)を定量的に測定することで指標となりうるか検討した。対象は溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN)2例,紫斑病性腎炎(HSPN)1例,IgA腎症(IgAN)2例,膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)1例であった。方法は,抗CD68モノクローナル抗体を使用しCD68陽性単球/マクロファージ(CD68
+ Mo/MΦ)として測定した。いずれの症例においても治療前(活動期)と治療後(非活動期)に亘って尿中Mo/MΦの測定を行った。無治療経過観察群(PSAGN,HSPN)およびステロイド投与群(IgAN,MPGN)ともに活動期では非活動期に比べ,尿中CD68陽性単球/マクロファージ数(CD68
+ Mo/MΦ)は有意に高値であった。
以上から,尿中Mo/MΦ数は増殖性糸球体腎炎の臨床的活動性の指標になることが示唆された。
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