日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
3歳で発症したループス腎炎の一女児例
佐竹 明内田 麻子佐藤 亜矢子三野 絵美小西 貴幸長野 奈緒子栃丸 博幸
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2003 年 16 巻 2 号 p. 115-119

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抄録

 3歳時健診の際,尿蛋白陽性に気づかれ,3歳4カ月時に当科初診した女児。尿蛋白・尿潜血3+で,低補体血症,ANA陽性,抗dsDNA抗体高値,ASO陰性などから,ループス腎炎と診断した。治療前に腎生検を予定したが,発熱などの症状が出現したため施行できず,ステロイドパルス療法を開始した。パルス3クール後に補体値が正常化した。4クール終了後の腎生検では軽度のメサンギウム変化を伴う膜性腎炎(WHO分類クラスVb)に該当した。約4カ月後に尿蛋白が陰性となり,3年が経過したが寛解を維持している。しかし,ステロイド減量に伴って補体値の低下が見られ,治療は継続中である。

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© 2003 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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