日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
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総説
ラット進行性メサンギウム増殖性糸球体腎炎における活性酸素産生系の役割
近藤 秀治香美 祥二清水 真樹北村 明子Mark T. Quinn河内 裕清水 不二雄黒田 泰弘
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2003 年 16 巻 2 号 p. 69-72

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抄録

 活性酸素(ROS)は,スーパーオキシド(O2·-)やH2O2,HO·1O2 を指し、生体障害を含め多彩な作用を有している。最近,炎症細胞,血管内皮細胞,平滑筋等に存在するROS産生系,NADPHオキシダーゼが,O2·-を産生し,細胞障害だけでなく細胞増殖等のシグナル伝達にも重要な役割を果たしていることが明かとなってきた。我々は,ラット進行性メサンギウム増殖性腎炎においてNADPHオキシダーゼの主要コンポーネントであるgp 91 phoxの発現とROSの産生を組織上で検出した。NADPHオキシダーゼに関する最近の知見を含め,ラット進行性メサンギウム増殖性糸球体腎炎の糸球体および間質病変形成におけるNADPHオキシダーゼの役割について概説した。

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© 2003 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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