日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
小児ネフローゼ症候群に対する免疫抑制剤シクロフォスファミドの有効性について: 43例の臨床的検討
福島 文桑門 克治武田 修明澤田 真理子田中 紀子西田 吉伸藤原 充弘
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2009 年 22 巻 2 号 p. 111-115

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抄録

 小児特発性ネフローゼ症候群において免疫抑制剤シクロフォスファミド (CPM) を使用した43例についてその有効性を検討した。CPMはステロイド依存性・頻回再発型ネフローゼ症候群に対して免疫抑制剤の第一選択として使用し,2mg/kg/dayを8~12週間投与した。平均観察期間108.4ヵ月 (25~330ヵ月) における寛解維持率は,6ヵ月65%,12ヵ月53%,24ヵ月39%,36ヵ月32%,48ヵ月30%であった。CPM有効の定義を,頻回再発型ネフローゼ症候群;CPM投与後,6ヵ月間再発がなかった例,ステロイド依存性ネフローゼ症候群;CPM投与前後での再発時のPSL量が1/2以下に減少した例として検討した。CPM有効例は29例 (67%),無効例は14例 (33%) であった。また,CPM使用後にそれ以外の免疫抑制剤を使用した例では,CPM有効例は無効例に比し,CPM以外の免疫抑制剤使用までの期間が平均32ヵ月間長い傾向にあった。

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© 2009 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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