2017 年 30 巻 1 号 p. 73-79
Tubulo-interstitial nephritis and uveitis syndrome (以下TINU 症候群)の2 症例を経験した。症例1 は14 歳女子。発熱と᷺怠感の主訴で受診し,尿中β2 ミクログロブリン上昇とぶどう膜炎を認めた。症例2 は13 歳女子。主訴は右眼の充血で,ぶどう膜炎の全身疾患の精査目的で受診し,尿中β2 ミクログロブリンの上昇を認めた。2症例とも腎生検で尿細管間質性腎炎の所見を確認し,TINU 症候群と診断した。ぶどう膜炎に対してステロイド全身投与を行ったが,漸減中に再燃し,ミゾリビンを併用することで良好な経過を得た。TINU 症候群に併発するぶどう膜炎は再燃を繰り返すことが多く,難治例に対してミゾリビンは有効な薬剤であることが示唆された。