2018 年 31 巻 2 号 p. 135-138
腎超音波スクリーニングにおける中心部エコー像(CEC)解離について,スクリーニング時のSFU 分類重症度が予後と関連することは既報で示されているが,CEC 前後径と予後との関連を検討した報告はみられない。当院における1 か月健診腎超音波スクリーニングでのCEC 解離例106 例について,スクリーニング時のCEC 前後径と予後との関連およびCEC 前後径のカットオフ値について検討した。精査実施群(非自然軽快例)では自然軽快群よりも有意にCEC 前後径が大きく(p=0.0457),前後径が大きい例は自然軽快しにくいと考えられた。ROC 曲線で求めたCEC 前後径のカットオフ値は8.1 mm となったが,その場合自然軽快しない例を数例見逃すこととなり,陽性基準を変更するかはさらなる症例の蓄積,検討を要する。自然軽快群でCEC 前後径と軽快時期との相関は認めず,解離が軽度でも早期に自然軽快するとは限らないことが示された。