2018 年 31 巻 2 号 p. 114-122
ロボット支援手術は,泌尿器科領域において急速に普及し,特に前立腺癌に対するロボット支援前立腺全摘除術や腎癌に対するロボット支援腎部分切除術は,わが国においても標準的手術となりつつある。手術用ロボットdaVinci surgical system は,術者が操作レバーを操ることによって,ロボットアームを遠隔操作することができる。術者は10 倍以上の拡大視野と遠近感を有した3 次元画像による手術操作を行うことが可能である。また,ロボットアームの鉗子先端部には,70 度の可動性を有する関節機能および高い自由度を有したエンドリストが装着されており,さらにロボットが有するモーションスケールにより正確かつ繊細な手術操作を行うことが可能になる。小児泌尿器科疾患,特に尿路再建術は,手術用ロボットの特性を生かすことが可能で,今後小児泌尿器科疾患に対するロボット支援手術の確立が期待されている。