2019 年 32 巻 2 号 p. 95-104
小児泌尿器科領域の腎尿路疾患の代表的な疾患は腎盂尿管移行部通過障害による先天性水腎症と膀胱尿管逆流である.本邦では長い間,診療指針がなかったため,欧米のガイドラインに従って診療が行われてきたが,医療システムが異なるため,とくに手術治療については実際の医療にはそぐわない面が多かった.2016 年に日本小児泌尿器科学会で両疾患に関する診療手引きが作成され,それに則って手術適応などが判断されるようになった.手術方法についても,かつての開腹術から低侵襲の腹腔鏡手術へ移行している.さらに近い将来には欧米のようにロボット支援手術が中心になると思われる.