日本小児腎臓病学会雑誌
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症例報告
急性心不全を契機に発見された頭蓋外胚葉異形成(CED)の姉妹例
齊藤 綾子泉 維昌鈴木 竜太郎塚越 隆司林 立申塩野 淳子堀米 仁志稲垣 隆介濱田 陸幡谷 浩史緒方 謙太郎森貞 直哉野津 寛大飯島 一誠須磨﨑 亮
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2020 年 33 巻 1 号 p. 43-50

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抄録

頭蓋外胚葉異形成(cranioectodermal dysplasia: CED)は頭蓋,顔面,骨格の形成異常,ネフロン癆を呈する慢性腎臓病を特徴とした常染色体劣性遺伝疾患でSensenbrenner 症候群とも呼ばれる.我々はWDR35 複合ヘテロ接合性変異を有するCED の姉妹例を経験した.症例1(姉),症例2(妹)ともに頭蓋骨縫合早期癒合症の手術歴があった.症例1 は3 歳時に顔色不良で受診し,急性心不全,腎不全を認めた.症例2 は症例1 の診断を契機に1 歳9 か月時に腎臓外来を受診した.症例1,2ともに腎病理組織はネフロン癆に矛盾せず,腎代替療法を導入した.過去の血液検査では乳児期から腎機能障害を認めていたが指摘されず,慢性腎臓病の進行とともに循環器合併症が認められた.頭蓋・顔面・骨格の形成異常を伴う場合CED を念頭に腎機能を確認し,診断・管理を行うことは合併症を防ぐうえで重要である.

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© 2020 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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