整形外科と災害外科
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先天性内反足に対する後内方解離術後の歩行分析評価
門内 一郎柳園 賜一郎川野 彰裕勝嶌 葉子渡邊 信二帖佐 悦男
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2011 年 60 巻 1 号 p. 135-138

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抄録

先天性内反足における後内方解離術後の臨床歩行評価は,三次元歩行分析装置を用いて客観的な解析が可能である.今回我々は,当センターにて施行された先天性内反足における後内方解離術後の症例に対し,三次元歩行分析装置を用いて歩行分析を行ったので,文献的考察を加えて報告する.対象症例は,先天性内反足患者6例8肢(男児3例,女児3例),手術時年齢は平均1.3歳,術後経過観察期間は平均7.5年であった.コントロール群と比較して,時間距離因子では,歩行速度,歩調,ストライド長の差は認められなかった.運動学的評価では,歩行全周期を通して足関節背屈傾向が認められた.運動力学的評価では,足関節モーメントおよび足関節パワーの低下が認められた.これらのパラメータの異常が下肢痛などの二次的な症状を引き起こす可能性も示唆されており,今後の注意深い経過観察が必要であると思われた.

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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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