日本小児腎臓病学会雑誌
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—原著—
放射線被曝のない膀胱造影の試み: アルブネックス (静注用超音波検査用造影剤) を用いた検討
金子 一成鈴木 与志晴大友 義之福田 豊藪田 敬次郎桑鶴 良平片山 仁宮野 武山高 篤行藤原 利男
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1995 年 8 巻 2 号 p. 151-154

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抄録
 膀胱造影は小児の尿路奇形,とくに膀胱尿管逆流症 (以下,VURと略す) の検索には欠かせないが,放射線被曝があるため超音波による検討も試みられている。しかし通常の超音波検査ではVURの検出率は低い。近年,超音波用の静注造影剤 (アルブネツクスR) が開発された。著者らはこれを用い,放射線被曝のない膀胱造影 (以下,本法と略す) を行い,VURの検出に利用可能であるか否かを検討した。対象は国際分類でII度からV度のVURを有する小児5例 (10腎) で,本法で【軽度逆流】と判定された腎尿路はすべてII度またはIII度,【高度逆流】と判定されたものはすべてIV度またはV度のVURであった。したがって本法は逆流の有無のみならず,逆流の定量的評価も可能であると思われた。
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© 1995 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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