抄録
膀胱造影は小児の尿路奇形,とくに膀胱尿管逆流症 (以下,VURと略す) の検索には欠かせないが,放射線被曝があるため超音波による検討も試みられている。しかし通常の超音波検査ではVURの検出率は低い。近年,超音波用の静注造影剤 (アルブネツクスR) が開発された。著者らはこれを用い,放射線被曝のない膀胱造影 (以下,本法と略す) を行い,VURの検出に利用可能であるか否かを検討した。対象は国際分類でII度からV度のVURを有する小児5例 (10腎) で,本法で【軽度逆流】と判定された腎尿路はすべてII度またはIII度,【高度逆流】と判定されたものはすべてIV度またはV度のVURであった。したがって本法は逆流の有無のみならず,逆流の定量的評価も可能であると思われた。