抄録
腎機能正常な腎疾患患児23名と正常血圧児11名を対象とし,携帯型自動血圧計 (ABPM-630) により血圧日内変動を測定し,コサイナー法により分析した。対象をステロイド剤服用の有無により分類し,治療の影響を対照群と比較検討した。ステロイド治療群を含む多くの者が,有意な日内変動を示した。ステロイド治療群,またステロイド内服治療前後1カ月測定群でも有意な収縮期血圧MESORの上昇を認めた。Amplitudeは,有意な変化を認めなかった。Acrophaseは各群間で明らかな差を認めず,ステロイド治療による日内リズムの消失,逆転はほとんど認めなかった。また,SLE症例で急性期と安定期に複数回血圧測定を施行したところ,血圧と心拍のリズム回復時期に解離を認め,血圧にも心拍とは別の内因性リズムが存在することが示唆された。