2012 年 30 巻 1 号 p. 53-65
著者は,我が国の心理学の分野で,早い時期から誘発電位,後に事象関連電位と呼ばれる脳電位の研究を始めた。その目的は,事象関連電位の特性を調べる事とともに,ユニークな点は,産業場面や日常生活場面において事象関連電位の応用を目指したことである。そのため計測技術の開発を行い,新たな事象関連電位である眼球停留関連電位(Eye Fixation related Potential; EFRP)を見いだした。この評論の目的は,これまでの研究開発における問題点をどのように解決し,新たな手法に結び付けてきたか,著者の研究室での研究と新たな技術開発の45 年間の流れを紹介することである。