生理心理学と精神生理学
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評論
睡眠心理学の最近30 年のトピックス
堀 忠雄
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2012 年 30 巻 1 号 p. 45-52

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抄録
睡眠心理学の最近30 年のトピックスとして,三つの実験研究を取り上げた。 1. 夢理論の実験的検証 夢理論の中からHobson-McCarley(1977)の“ 活性化-合成仮説” とOkuma(1992)の“ 感覚映像-自由連想仮説”について,レム睡眠中の急速眼球運動の開始点と停止点で求めた事象関連電位を用いた検証作業が進められている。 2. 睡眠依存性の記憶向上現象の検証 新たに獲得された視覚・運動学習はその後の睡眠により成績が向上する。この記憶向上には睡眠紡錘波活動が緊密に関連していることが指摘されている。 3. 予防仮眠の開発 午後にはしばしば強い眠気が起こり,産業事故や交通事故を引き起こす原因となっている。これを防ぐ方法として20 分以下の短時間仮眠法が開発されている。
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© 2012 日本生理心理学会
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