生理心理学と精神生理学
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評論
光で神経活動を操作する――光遺伝学を用いた生理心理学的研究――
小澤 貴明
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2020 年 38 巻 1 号 p. 48-58

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抄録

光遺伝学(オプトジェネティクス)は近年,神経科学分野において非常に注目を集めている実験技術であり,自由行動中の動物の脳内に光を照射することで目的の神経細胞集団および神経投射経路に限局した人工的な神経活動操作をミリ秒単位の時間分解能で行うことができる。本稿では,(1)光遺伝学において重要な役割を果たす光感受性チャネル・ポンプの仕組み,(2)およびこれらを標的脳領域に発現させ,特定の神経細胞集団や神経回路を活性化/不活性化する方法について紹介する。また,光遺伝学を用いて具体的に明らかになった最新の知見について,特に計算論的神経科学の研究に焦点を当てながら紹介する。

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© 2020 日本生理心理学会
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