抄録
本研究の目的は, SOVパラダイムにおけるN400出現の再現性を確認することである.10名の大学生に歴史的な事実に基づく日本語単文を, 主語 (S), 目的語 (O), 述語 (V) の順に呈示し (例えば, “コロンブスは/アメリカを/発見した.”), 記述内容の真偽を左右親指でボタン押し反応させた.SとOとの間に意味的なミスマッチがある場合, Oに対するERP上にN400が出現した.また, このN400の振幅は左 (C3) より右 (C4) 部位で大きかった.CNVの復帰や判断に関係する電位はV呈示後に出現し, Oに対しては純粋にSとの関係を反映するERPが得られ, SOVパラダイムの有用性が示された