抄録
健常な男子大学生5名を用い, 夜間睡眠の中途覚醒時間の長さ (10・40・60・90分) が再入眠後の直腸温に与える影響を検討した.その結果, 夜間睡眠時の中途覚醒時間が延長すると, 再入眠時に直腸温の低下が大きくなるという結果を得た.この再入眠時の直腸温の低下は再消灯後から始まり, 中途覚醒時間が60・90分条件での低下量は初めの入眠時の直腸温低下量と差がなかった.また, 一夜の直腸温変動について検討した結果, 中途覚醒時間が延長すると, 直腸温の最低温の出現する時間が早くなる傾向が認められた.再入眠時の直腸温低下量とSWS出現量との相関を検討したが, 両者の間に相関は認められなかった.