生理心理学と精神生理学
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3刺激オッドボールにおける標的検出課題の有無が新奇刺激のP300に及ぼす影響
竹形 理佳諸冨 隆
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1996 年 14 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
本研究は3刺激の聴覚オッドボールにおいて標的刺激の検出課題の有無が新奇刺激により惹起されるP300の頭皮上分布に与える影響を検討した.大学生6名を被験者として, 高頻度刺激には1000Hz, 低頻度刺激には2000Hzのトーンバースト, 新奇刺激にはノイズ音を使用した.低頻度刺激の検出を課す能動条件と刺激系列を単に聴取するだけの受動条件で比較した.低頻度刺激に関しては, 標的刺激である場合にはP3bが惹起されたが, 受動条件ではP300に相当する電位は認められなかった.一方, 新奇刺激に関しては, 能動・受動条件ともに中心部と頭頂部で同程度の振幅を持つP300が惹起した.これらの結果から, 新奇刺激に対するP300は標的検出課題の影響を殆ど受けないことが示唆された.
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© 日本生理心理学会
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