生理心理学と精神生理学
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テレメータを用いたスナネズミの脳波測定
大島 (瀬戸)章子伊藤 宗之清水 一明
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1998 年 16 巻 1 号 p. 41-47

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抄録

スナネズミは軽い刺激で発作をおこすてんかんの遺伝性モデル動物である.成獣では心理的な負荷がかかると考えられる状況も発作誘因となることがしられている.脳波を有線で記録する方法では、線を接続する際に, あるいは有線で接続されている状態そのものが発作を誘発する可能性があり, 線接続が不要なテレメーターを用いることが重要であると考えられてきた.しかし従来の市販品では送信機のサイズが大きすぎるなど, 実用には不向きな点が多かった.本実験では, 無拘束状態での脳波を測定する目的で, 送信機を背中に埋め込む方式のラット用テレメータ (ユニメヅク社製) を, 体重0.07kg前後の大きさのスナネズミに適用した.その結果, 日常の行動を妨げることなく, 発作間歓期の大脳皮質の活動を測定することが可能となった.この方法により, 加えた刺激に反応したと考えられる脳波を記録することができた。

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© 日本生理心理学会
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