生理心理学と精神生理学
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幾何学的図形の角張りと円み部分が祖覚誘発電雷位に及ぼす効果
伊藤 元雄菅田 達也桑原 啓吏
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1998 年 16 巻 1 号 p. 33-40

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抄録

正三角形が正方形, 円形よりも大きなN1反応を惹起した伊藤他 (1993, 1995) の研究に引き続き, 三角形の3つの角度部分の役割を理解するために, 三角形と円形の部分的形態の効果を比較した.8名の被験者に対して, 2群の角張り, 円み図形を下方視野に瞬間提示した.1群の図形は正三角形とその3つの角張り部分, もう1群の図形は円形とその3つの円み部分であった.後頭領域付近の5つの部位から-過性のVEPを単極導出法で記録した.図形条件と対照 (ブラソク) 条件間の差波形を計算し, 分析した.主要な結果として, 三角形のN1振幅は円形よりも有意に大きく, 三角形の3つの角張り部分はいずれもそれらに対応した円形の3つの円み部分よりも有意に大きなN1振幅を惹起した.したがって, 円形と比較した正三角形に対するN1反応の増大は三角形の3つの鋭角部分のすべてに起因しているということができる.

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© 日本生理心理学会
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