抄録
本稿では, ラット・マウスにおける空間認知・空間記憶能力の測定方法として, モリス水迷路学習と放射状迷路学習を紹介し, 次に, 記憶・学習の神経基盤と考えられる長期増強 (LTP) 現象と, それに深い関わりをもつグルタミン酸受容体の分類について述べた.さらに, 空間認知・空間記憶と脳内グルタミン酸受容体の関係について, NMDAグルタミン酸受容体と代謝型グルタミン酸受容体の順に, これらの受容体が果たす役割についての行動薬理学的研究の成果を概観した.最後に, 最近の進歩が著しい, 分子生物学的方法を用いた研究についても紹介した.