生理心理学と精神生理学
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反応競合がエラー関連陰性電位に及ぼす影響
大塚 拓朗則武 厚八木 昭宏
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2004 年 22 巻 1 号 p. 33-41

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抄録
エラー関連陰性電位 (error-related negativity : ERN) はエラYした時に生じる事象関連電位として考えられていた.この電位の発生源は前部帯状皮質 (anterior cingulate cortex : ACC) に推定されている.ACCは反応競合から生じる葛藤事態で活性化することから, ERNも同様の事態で活性化すると予想できる.本研究では, ERNが反応競合の程度によって影響されるか否かを検討した.9名の被験者がEriksenのフランカー課題の一種を行った.課題では手がかり刺激によって反応競合量を弱める操作を行い, 2条件を設けた.ERNはEEGを反応EMGのオンセットに同期し, 加算平均処理をすることによって抽出した.その結果, ERNの潜時は反応競合の低い条件の時に有意に長かった.しかし, 振幅に関しては条件間に違いはなかった.すなわち, ERNは反応競合の量によって影響を受けることが確かめられた.
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© 日本生理心理学会
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