抄録
症例の概要: 患者は前歯部変色による審美障害を主訴として来院した.漂白法では改善できないと診断され, ポーセレンラミネートベニア修復法を行うことにした.
考察: 患者の満足を得るために何度もシェードマッチングや形態修正を行うことにより, 診療時間が延長した.支台歯の形成はエナメル質に限局すべきであるが, 象牙質が露出した場合, 象牙質の処理を行い接着することが重要である.
結論: 本症例の経過により, 以下の示唆が得られた.漂白法との選択基準を設定し併用も考慮する.形成はエナメル質に限局させるが, 象牙質が露出した場合はリン酸エッチング剤を避ける.接着操作時間を短くするよう工夫する.