カード提示順序の変更がロールシャッハ検査結果に及ぼす影響 (1)
ジャーナル
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1959 年
30 巻
2 号
p. 113-121
詳細
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発行日: 1959 年
受付日: 1958/11/07
J-STAGE公開日: 2010/07/16
受理日: -
早期公開日: -
改訂日: -
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訂正情報
訂正日: 2010/07/16
訂正理由: -
訂正箇所: 論文抄録
訂正内容: 訂正前 : 実験Iにおいてはロールシャッハ図版 (Cシリーズ) に, よって4系列のカード提示順序によって検査した結果, 最初に連続して提示された色彩カードが, 反応数, 反応時間, カードに対する好み, 色彩また明暗ショック等の結果に及ぼす効果を仮定したのであった. しかし果してこれらの効果は色彩カードが含む色彩の影響によるものかどうかについての検証が必要であった. そこで実験IIにおいて写真複製のカード (Aシリーズ) を用いて検査し, 色の有無が結果に及ぼす影響を比較し以て色彩の役割を確認しようとした. 実験IIにおいては, 3枚の色彩図版 (VIII, IX, X) にはじまる (X-I) 順位と5枚の無色彩図版ではじまる (A-C) 順位の2つのカード排列の構造上相対比する提示順序によって検査した. この結果実験Iにおいて仮定した色彩の影響は認められなかった. しかしながら色彩カード群がふくむ色彩の効果が検査結果に全然及ばないかといえば決してそうではなく, 色彩の影響によって変容したとおもわれる結果も微弱ながらみられた. そこで色彩の役割について特に組織的な研究が今後企図される要がある. 本研究は色彩の問題が中心テーマではないが, カード提示順序の変更の研究には必然的に関連するために, 研究した結果, 色彩の影響についてかなり消極的結果となった. しかし被験者が短大学生であるため, 色彩より図の形体, 構造がより重要な意味をもったのかもしれない. だから不安や敵意の強い異常群を対象とすれば, あるいは色彩が重要なる役割を演ずるのではないかと予想され, この方面からも今後の追試検討を必要とする.
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