音楽的表現の価値判断に関する因子分析的研究
ジャーナル
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1961 年
31 巻
6 号
p. 364-368
詳細
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発行日: 1961 年
受付日: 1960/04/11
J-STAGE公開日: 2010/07/16
受理日: -
早期公開日: -
改訂日: -
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訂正情報
訂正日: 2010/07/16
訂正理由: -
訂正箇所: 論文抄録
訂正内容: 訂正前 : 音楽の表現に関する価値を規定する際に, 特に声楽に関して, その基礎として幾つの類型が存在するかを因子分析法により調べてみた. すなわち, 毎日新聞社主催の音楽コンクール声楽部門について, 1957年度および1958年度の東京地方一次予選および全国二次予選の, 各受検者を通過させるか否か2件法によるデータから, 各年度毎および両年度を合わせて, 各々, 審査員間の4分相関係数を求め, 重心法により因子分析を行った. 先ず第3因子まで抽出し, 廻転を行ったのであるが, その結果1957年度のデータおよび両年度合わせたデータでは審査員を3群に分離することが可能であったが, 1958年度のデータでは3群への分離すら不可能であった. 更に, 3群へ分離できた二つのデータを比較してみると, 一応の分離ができたとは言いながら, その内容は全くでたらめであり, 一方で3群に分けたものをさらにランダムに3群に分けなおしたものであるとさえ言い得る程であった. そこで, 廻転前の因子行列について各因子への負荷量の平均値を調べてみると, どのデータにおいても第1因子への負荷量は他の因子への負荷量の5倍以上であり, h2になおして考えてみても, 採択する因子の数を増すことによるh2の増大は, あまり大きくないことが分った. 更に1957年度および1958年度のデータの第1因子への負荷量の間の相関係数を求めてみると0.87という大きな値になり, 二つの独立に得られたデータから独立に抽出された第1因子は, ほぼ同じ内容のものを示していると見てもさしつかえないように思われる.
以上に述べた諸事実から, 声楽における表現の価値を評価する際に, その基礎として唯一つの因子のみが存在すると考えることは妥当であると思われる.
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