概念学習における確率的手がかり
ジャーナル
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1973 年
43 巻
6 号
p. 320-324
詳細
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発行日: 1973/02/10
受付日: 1972/11/13
J-STAGE公開日: 2010/07/16
受理日: -
早期公開日: -
改訂日: -
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訂正情報
訂正日: 2010/07/16
訂正理由: -
訂正箇所: 論文抄録
訂正内容: 訂正前 : 概念学習実験においても, 確率的手がかりを導入すれば, 確率対応現象が生じることが従来の研究で示されてきた. 本実験の目的は, 確率的手がかりの存在を予め被験者に知らせることによってより合理的反応といわれる全無反応を生ぜしめるか否か, 更に確率対応現象が現われた場合に被験者は手がかりをどの程度把握しているかについて調べることである.
手がかりの不確定性の程度 (含有率90%, 80%, 70%) と教示の有無についての2要因実験が行なわれ, 3×2群に対して各10名ずつ計60名の被験者が割り当てられた. 課題は4次元2値で変化する幾何学的図形の2選択肢分類である. この他に20試行ごとに解決を求められている概念についての言語報告, 全試行終了後には各刺激次元ごとに評定反応が集められた.
そして, 次のような結果が得られた. (a) 手がかりに不確定性が存在することについての教示を与えると, 与えない場合より全無反応は多くあらわれた. (b) 確率対応現象が現われた時は, 約40%の被験者が関連属性の発見に失敗していることからも示されるように, 手がかりの把握の程度という点ではかなり多様な状態にある.
尚含有率・教示要因が学習にどのように影響を及ぼすかについて付加的な分析がなされ, その結果次のようなことが示唆された. 手がかりの不確定性の程度は関連属性の発見という比較的初期の学習段階から影響を及ぼしているが, 不確定性存在についての知識は関連属性発見後, むだに仮説を複雑化させずにその関連属性のみが手がかりであると気づかせるという比較的後期の段階で始めて効果をもつようになると思われる.
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