基礎理学療法学
Online ISSN : 2436-6382
総説
筋力トレーニングにおける筋束長特異性という新たな概念
田中 浩基池添 冬芽市橋 則明
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2021 年 24 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

筋力トレーニングによる筋力向上効果には特異性が存在する。その中でもトレーニングを実施した関節角度に限局して筋力向上効果が得られることは関節角度特異性として知られている。この法則については多くの先行研究で検証されてきたが,その全てが高負荷を用いたトレーニングであった。我々は低負荷トレーニングにおいても同様に関節角度特異性が成立するかどうかを検証するために,足関節底屈等尺性,足関節底屈等張性,股関節外転等尺性の低負荷トレーニングを実施した。トレーニングの結果,筋力向上効果は関節角度特異性には従わないことが明らかとなった。一方で,超音波診断装置を用いて測定した筋束長はトレーニング条件と筋力が向上した条件で同等であることが明らかとなった。これは筋力が関節角度ではなく筋束長に特異的に向上したことを示唆する結果と考えられた。筋力が筋束長に依存して向上するという新たな仮説を我々は筋束長特異性として提唱した。

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© 2021 日本基礎理学療法学会
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