論文ID: JJPTF_2025_02
【目的】全介助患者の状態の変化を反映できる評価表を開発し,その妥当性と信頼性および褥瘡リスク予測への有用性について検証すること。【方法】開発した評価表を用いて当院入院患者の評価を行い,STAPとFIMの相関分析,3ヵ月後の評価結果の変化の分析および因子分析,検者間信頼性の検討,褥瘡の有無に対するロジスティック回帰分析を行った。【結果】3ヵ月間でFIMでは18点から不変だった症例の63.7%にSTAPの点数の変化を認めた。因子分析ではSTAPは「四肢可動域」「肢位変化の介助量」「覚醒状態」を評価していると解釈された。また検者間信頼性は級内相関係数0.86,カッパ係数0.95~0.99と高値を示した。ロジスティック回帰分析の結果はオッズ比0.83(p=0.04)であった。【結論】STAPは全介助患者の心身機能や介助下での動作能力の変化を鋭敏に反映することや,検者間信頼性が高いことが明らかになった。またSTAPの合計点は褥瘡リスクの予測に有用である可能性が示唆された。