2023 年 23 巻 1 号 p. 104-114
本研究の目的は,積雪寒冷地の災害訓練における特別支援学校教諭の認識と取り組みを明らかにすることであった.教諭6名を対象に半構造化面接を行った.その結果,教諭は子どもたちの特徴から【冬の避難訓練は子どもの体調に関わる】ことへの懸念に加え【自分たちが子どもを守らなきゃ】という使命感を認識していた.しかし,積雪寒冷に伴う子どもへの影響を検討した上で【冬季の災害訓練に挑む】取り組みを行っていた.さらに,【雪道の避難は厳しい】や【人手がないと避難できない】との認識から【手分けして子どもを避難させる】取り組みを行っていた.また,【子どもが混乱すると避難できない】ため,見通しが立つよう【子どもたちの想像を促す】など取り組んでいた.冬季の災害訓練の課題解決に向け医療と教育が協働し積雪寒冷地におけるより安全な災害訓練について検討する必要性が示唆された.