日本赤十字看護学会誌
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研究報告
在宅酸素療法を受けながら社会生活を営む人の体験
工藤 有希
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2022 年 23 巻 1 号 p. 115-124

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抄録

目的:在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy;以下HOT)を受ける人が,どのように社会生活を行い,どのような思いを抱えているか,体験を明らかにする.方法:HOTを受ける9名に半構造化インタビュー法を用いて質的記述的に分析を行った.結果:【HOTの煩わしさから距離を置く社会生活】では,様々な負担を感じながらも,社会との関わり方を模索していた.【継続している社会生活】では,仕事や趣味を続けるために自分なりの工夫が加えられていた.【新たに創る社会生活】では,役割の再調整や他者との関係性から身の置き所を考える体験が明らかになった.結論:HOTを受ける人の社会生活を営む体験は,人や環境と関わりを持つことで,自己の中で生じる様々な感情や身体症状とのバランスを保ちながら,その人なりに工夫を凝らすものであった.当事者が望む社会生活には,社会全体でHOTの認知度を上げることが重要である.

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© 2022 日本赤十字看護学会
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