日本赤十字看護学会誌
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原著
新型コロナウイルス感染症流行下で幼児を養育する親のストレスと対処行動,育児支援の実態と育児支援へのニーズ
園田 希松中 枝理子宇都宮 真由子隈井 寛子橋本 真貴子大重 育美
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2023 年 24 巻 1 号 p. 11-22

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抄録

新型コロナウイルス感染症は人々の生活を激変させ,人々のメンタルヘルスに影響を与えている.本研究は,新型コロナウイルス感染症流行下で幼児を養育する親が,ストレスを感じた出来事とその対処行動,育児支援の実態と育児支援のニーズを明らかにすることを目的に,自記式質問紙による調査を行った.質問紙2,154部を配布し,得られた346件のうち310件を分析した.親は,【今までのように息抜きができない】ことにストレスを感じていた.親が受けている育児支援は新型コロナウイルス感染症流行前と比較し,親しい友人,医療従事者からのサポートが約10%減少し,親は【安心して学び遊べる環境の整備】を求めていた.新型コロナウイルス感染症と共存する中で,幼児を養育する親に関わる職種には,新型コロナウイルス感染症の長期化により親が抱えるストレスを把握したうえで,刻々と変化する状況に応じた支援を提供することが求められる.

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© 2023 日本赤十字看護学会
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