2023 年 24 巻 1 号 p. 159-169
目的:ICにおける看護師の役割行動の実態を明らかにする.方法:救命救急センターを有する2病院の正規雇用の看護師・准看護師948名を対象に,無記名自記式質問紙による調査を実施した.結果:「説明時の同席」や「説明内容の記録」といった役割行動をとっている看護師は70~80%,「患者・家族の代弁」などでは30~40%であり,「セカンドオピニオンや同意しない権利」など患者の権利擁護に関することは20~30%であった.役割行動の「医師からの説明内容について患者・家族の理解の程度にあわせた補足説明をする」や「患者・家族が医師に直接言いづらいことを代弁する」などは,スタッフより師長以上の役職の看護師の方が行っていた.「ICに関する周囲の役割行動」との関係について,「看護師の役割行動」と「医師からの説明内容が記録されている」などの間で弱い~かなりの正の相関がみられた(τ=.204~.641, p<.01).