2013 年 32 巻 1 号 p. 36-41
意識下挿管では,気道開存と自発呼吸が維持されやすい。また,最小限の麻酔薬で挿管できるため,循環動態変動を最小限に抑えることも可能である。異論はあるものの,消化管内容の逆流・誤嚥を予防する効果も期待される。気道確保困難症例に限らず,救急・集中治療領域でも有用な気道確保法となり得る。一方で,患者の負担が増す,気道損傷をきたすなどの心配から,意識下挿管を躊躇してしまう可能性もある。 挿管補助器具としてエアウェイスコープあるいは気管支ファイバースコープを選択し,適切な表面麻酔と鎮静を併用することで,多くの症例では安全かつ快適な意識下挿管は実現可能である。