重症熱傷患者の予後は不良のことが多く,受症直後の治療方針が予後に影響を与える可能性がある。今回重症熱傷患者の初期治療の方針を決める上で熱傷予後指数(PBI:prognostic burn index)を含め予後に関連すると推測される因子の影響を後ろ向きに検討した。当院救命救急センターに救急搬送された69例(年齢6ヶ月-95歳)を対象とした。解析は生命予後を目的変数,年齢,性別,受傷機転,自傷・外傷,手術回数,PBIを説明変数とした多重ロジスティック解析を行い,生命予後とPBIからROC曲線(Receiver Operating Characteristic curve,受信者動作特性曲線)を求めた。その結果PBIのみが生命予後に有意に影響する因子(オッズ比1.33, p<0.05)であり,PBIが93.675以上で死亡率100%であった。PBIは重症熱傷患者の初期治療方針の決定に重要な因子であると考えられる。
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