抄録
5例の意識障害患者に対するESCS (epidural spinal cord stimulation, ESCS) の経験をレトロスペクティブに調査し, 同療法の有用性を検討した。5例中3例で臨床症状の改善をみたが, 結果は全例が植物症として意識障害を残した。植物症の分類では1段階の改善にとどまり, 植物症から脱却した症例はなかった。ESCS後の検査所見では改善がみられた症例が3例あった。これらの結果が自然回復によるものかESCSによるものかは, 厳密には評価できなかった。客観的な効果判定のためにも, 定期的な生理検査を行う必要性を感じた。