蘇生
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迅速な診断・治療により救命しえた特発性食道破裂の3症例
古宮 かおり五十嵐 孝平林 由広瀬尾 憲正
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2007 年 26 巻 1 号 p. 22-24

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抄録
特発性食道破裂は, 食道と縦隔が交通するため縦隔が汚染され, 重篤な経過をたどる死亡率の高い疾患である。今回, 我々は3例の特発性食道破裂を経験した。症例は全例男性で年齢は53-72歳であり, 発生起点は全て嘔吐により, 左胸腔内への穿破型であった。発症から手術までの時間は5-10時間で, 穿孔部縫合閉鎖術, 胸腔ドレナージが行われた。術中は2例で呼吸循環動態は安定していたが, 1例は術前からのショック状態が術中も遷延した。術後は1例で肺炎, 1例でDICを発症したが全症例とも約1か月で軽快退院した。食道破裂は時に急速に重篤な状態に進行することがあり, 迅速で適確な全身管理が必要である。
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© 日本蘇生学会
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