日本農村医学会雑誌
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原著
当院における光熱経費削減 (省エネルギー) の成功
──決め手は瞬時最大消費電力量 (デマンド) の抑制にあり──
平間 好弘澤畑 博広瀬 正一沼崎 誠吉田 公代新谷 周三椎貝 達夫
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2006 年 55 巻 2 号 p. 88-92

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抄録
 現在全国の医療機関で,施設維持費の中でも多くを占めるエネルギー費,とりわけ電気光熱費の削減が真剣に検討されている。今回当院では,施設課を中心に全職員が協力して,瞬時最大消費電力量(デマンド)を1,500kW→1,300kWに抑制する「1300作戦」キャンペーンを1年間継続し,年間400万円以上の電気光熱費削減に成功した。病院電気料金の削減のポイントは,前年度のデマンド→次年度の契約電力→基本料金設定のメカニズムの中で,夏場にピークをむかえる瞬時最大消費電力量(デマンド)をいかに抑制できるかにかかっている。このデマンド抑制には,基本的に現場の協力が不可欠であり,そのために全職員の意識統一を目的として「1300作戦」キャンペーンを1年間継続した。このキャンペーンも,具体的数値をあげて訴えることが大切で,ただ単に「職場の消灯を・電気を大切に」ではなく,1,500kW→1,300kWにという具体的作戦が功を奏したものと思われる。また,われわれ医療機関は,営利企業とは質的に異なり,環境保全(エコロジー),エネルギー消費削減,リスク管理,大規模災害時の地域への貢献などを,その基本理念に入れるべきであり,大きくみれば地球規模の環境保全に貢献できたと考える。
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© 2006 一般社団法人 日本農村医学会
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