日本農村医学会雑誌
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症例報告
開頭手術を行なった症候性ラトケ嚢胞の1例
景山 寛志都築 伸介豊岡 輝繁岡 一成
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キーワード: MRI画像, ラトケ嚢胞, 手術, 症候
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2015 年 64 巻 4 号 p. 700-704

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抄録
 ラトケ嚢胞はトルコ鞍部の非腫瘍性嚢胞性病変で, 近年のmagnetic resonance imaging (MRI) の普及に伴いその発見の頻度が増加している。一般に症候例に対しては経蝶形骨洞法による嚢胞開放術が選択される。今回われわれは数年来の球後痛を主訴に来院された50歳代女性のラトケ嚢胞症例を経験した。MRIではトルコ鞍内から鞍上部にかけて嚢胞性病変を認めた。下垂体は嚢胞の尾側・鞍底部に存在していた。嚢胞内部は均一で, T1強調画像で高信号, T2強調画像では低信号を呈しており, 内容物の高い粘稠度が示唆された。嚢胞壁は菲薄で, ガドリニウム造影にて造影されず, 鞍隔膜は嚢胞により頭側に挙上伸展され, また両側視神経も若干頭側に圧排されていた。嚢胞の局在およびその内容の性状から, 開頭手術による治療を選択し, 術後速やかに球後痛は消失した。嚢胞による鞍隔膜挙上伸展は, 慢性球後痛の原因と考えられ, この所見は外科的治療適応の指標として有用と思われた。
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© 2015 一般社団法人 日本農村医学会
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