日本農村医学会雑誌
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C型肝炎治療のinnovation
狩野 吉康
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2016 年 65 巻 2 号 p. 129-135

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抄録

 1989年に血液中のウイルスの核酸から発見されたC型肝炎ウイルスは,それまで非A非B型肝炎と診断されていた肝炎,特に輸血後肝炎の大部分の原因ウイルスであることが判明した。その後,日本赤十字社がいち早く輸血血液のHCVのスクリーニングに着手したため新規のC型肝炎は激減した。そのため,我が国ではC型肝炎患者の高齢化が著しく,抗ウイルス療法が導入できない症例も少なくなかった。1992年からインターフェロンで始まったC型肝炎に対する抗ウイルス療法は,近年急速な進歩をとげインターフェロンを使用しないIFN freeの治療が第一選択となり,抗ウイルス効果だけではなく治療の認容性も格段向上した。このため高齢者に優しい治療となり,抗ウイルス療法の対象が拡大している。

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© 2016 一般社団法人 日本農村医学会
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