2016 年 65 巻 2 号 p. 291-294
食物アレルギー児に給食を提供する病院では誤食防止対策が求められている。これまで当院栄養科では,アレルゲンを除去した料理(アレルゲン除去食)を専用区域において担当調理師が調理し,その料理内容を食札に明記することにより誤食防止に努めてきた。平成26年1月~12月の1年間に,当院に入院した食物アレルギー児258例にアレルゲン除去食を提供したが,アレルゲンを含有する料理の誤配膳が3件発生し,内2件で患児の誤食があった。誤配膳が発生した原因として,アレルゲン除去食とアレルゲンを含む料理が同色の食器に盛り付けられていたことが考えられた。対策として誤食防止対策を改定し,アレルゲン除去食の食器とお膳を全て黄色に統一して他の料理と明確に区別した。さらに,アレルゲン除去食専用の棚を設け,配膳前の最終確認には調理担当者2人によるダブルチェックを義務づけた。今後も誤食防止対策の改良に努めていきたい。