抄録
現在,医療はサービス業であるという考え方が社会に広く浸透し,患者が病院を選ぶ時代が到来した。ゆえに多くの医療機関が職員の接遇を向上させるための活動を行なっている。茨城西南医療センター病院(以下,「当院」という。)においても同様に,様々な職種のスタッフによって組織された「サービス・接遇向上委員会」が接遇向上を目的に活動を行なっており,これを受けて我々診療放射線技師も接遇の自己評価を中心とした複数の取り組みを行なってきた。
本研究では,放射線部として接遇向上のための様々な取り組みを行なっている過程において,容易に改善が見られないものに着目し,その要因について分析することを目的としている。
約2年にわたる経過を見ると,診療放射線技師の接遇は全体的に改善傾向を示しており,啓発活動による効果があったものと考えられた。しかし,自己の接遇に対する評価を行なっている項目の中にはある一定以上の改善が見られない項目が存在していた。今回はこれらに着目し,これまでに実施した各取り組みについての評価検討を行なった。